あなたは、『マーケティングミックス』という言葉を聞いたことがありますか?
マーケティングミックスとは、お客さまに商品をスムーズに受け入れてもらうための「打ち手の組み合わせ」です。
売り手、買い手、それぞれの視点から商品を捉え、より価値の高い「愛される商品」をつくるために、しっかり理解しておきましょう。
マーケティングミックスとは
愛される商品をつくり、的確に届けるために欠かせない「マーケティングミックス」。
売り手側と、買い手側それぞれが、商品に対して抱く「認識のギャップ」を埋めていくためにも、しっかりと事前に分析していきましょう。
では、さっそくですが…
商品をつくる際に考えるべきなのは、具体的にどんなことでしょう?
単に「デザインがいい」ことや「価格が安い」といった理由だけでなく、実に多くの要素が絡み合っています。
さらに、商品をつくる段階だけでなく、お客さまが手に取るまでの、それぞれの工程において、4P・4Cといった指標を用いて分析をしていきます。
それでは、売り手側の視点となる「4P」と、買い手側からみた「4C」について、詳しくみていきましょう。
マーケティングミックスの4Pとは
マーケティングミックスにおいて重要な「4P」の指標は以下のとおりです。
●Product(商品)
●Price(価格)
●Promotion(プロモーション)
●Place(流通)
この4つの指標において自社商品の強みや課題を分析していきましょう。
まず、はじめのPとなる「商品」について戦略を考えていきます。
商品を通してお客さまにどんな状態になってほしいのか?
提供できる価値を考え、コンセプトを作り上げていきます。
コンセプトが決まれば、品質や商品名、パッケージといった細かな部分も考えられます。
つぎに、「価格」について理想のお客さまが購入したいと思えるかどうかを考えます。
コストや相場、ブランディングといった視点からも慎重に価格を設定していきましょう。
3つめのPとなるのが「プロモーション」です。
商品を届けたい相手に効率よく認知してもらうための最適なアクションを実行しましょう。
そのためにSNS、ブログ、LINEやメルマガなどを組み合わせて魅力を伝えていきます。
ニーズを創りあげていくための長期的な発信も重要ですね。
広告運用についても、予算を考えながら打ち手を考えていきます。
最後のPは「流通」です。
お客さまに商品を届ける手段や経路を決めていきます。
ネット・店舗販売、地域限定・全国展開といったように様々な選択が広がっています。
たとえば商品を売る場所について考えてみましょう。
気軽に手に取ってもらえるようにコンビニで販売するのか、都心の高級街に構えた店舗で販売するのかによって、商品のイメージはガラッと変わってしまいます。
理想のお客さまに、持ってもらいたい印象をつくるために注意しながら決めていきましょう。
4P | 内容 | 具体的な行動 |
---|---|---|
Product(商品) | 商品が提供できる価値は何か? | 強みとなるコンセプトを決める |
Price(価格) | お客さまが納得してくれる価格か? | 適正な価格を決める |
Promotion(プロモーション) | 商品の魅力をいかに伝えられるか? | チラシ、ウェブサイト、SNS、広告などで認知を拡大する |
Place(流通) | どんな方法でお客さまに届けるのがスムーズか? | ネット販売、店舗、卸売りなど効率的な販路を決める |
マーケティングミックスの4Pは、モノを中心とした1960年代に提唱されました。
モノよりもサービスの時代といわれる1970年代には「サービスマーケティングの7P」というフレームワークにおいて「3つのP」が追加されました。
サービスマーケティングの7Pとは
サービスマーケティングの7Pにおいて追加されたのは以下の3つです。
●People(人)
●Process(サービスプロセス)
●Physical Evidence(物理的環境)
くわしくみていきましょう。
まず「人」ではサービスを提供するスタッフが与える影響について考えていきます。
スタッフの外見や接客態度などすべての印象が、ブランドイメージをつくっていきます。
ひとりひとりのスタッフが、どんな意識をもってサービスを提供していくのか共通認識が必要となります。
つぎは「プロセス」です。
お客さまがスムーズにサービスを受けることができる過程に着目しています。
エステサロンだとすれば、予約から入店、サービスを受けて支払いに至るまで、快適さや気持ちを高めてくれる雰囲気が感じられるか?を考えていきます。
最後のPとなるのは「物理的環境」です。
商品と違ってサービスには形がなく、あとに残すことができません。
だからこそ、徹底したブランディングによって世界観を演出する必要がでてきます。
そのための店内のデザインや空気感には、こだわりや統一感をもたせましょう。
マーケティングミックスの4Cとは
売り手目線の「4P」と照らし合わせながら、セットで分析すべきなのが買い手目線の「4C」です。
●Customer Value(顧客にとっての価値)
●Customer Cost(顧客の負担)
●Convenience(利便性)
●Communication(顧客との関係性)
こちらも、ひとつずつご紹介しますね。
「顧客にとっての価値」については、お客さまのニーズをしっかり捉えることで価値ある商品となります。
「顧客の負担」については、価格的な負担だけではありません。
時間、労力、心理的な負担についても考えていきます。
3つめの利便性については、店舗の立地に関することや、商品にたどりつくまでにストレスがないか?といった部分まで細やかに配慮していきます。
最後のCは顧客との関係性です。
お客さまの不安を解決しながら納得のいく形で商品を購入してもらいましょう。
そのためにも一方通行の広告ばかりでなく、SNSでの交流などでコミュニケーションをはかりましょう。
この4C戦略については、4P戦略をさらに強化するための指標となるので、あわせて活用していくことをおススメしています。
マーケティングミックスで企業事例をみてみよう
成功している企業として、タマチャンショップの「タンパクオトメ」というプロテインについてマーケティングミックスの視点から分析してみましょう。
タマチャンショップは宮崎県にある、しいたけ農家出身の自然食品屋さんです。
食を通じて女性の悩みである「ダイエット」と「美容」に立ち向かうべく商品開発をしています。
製品/お客さまにとっての製品価値
たんぱく質が足りていない女性にむけて「食べる美容」として提案するプロテイン。
砂糖不使用で栄養補給にもなり、ダイエットや美容のサポートをしてくれます。
価格/お客さまの負担するコスト
1杯あたり175円で1袋17食分という値段設定。
いろんなサプリを飲むよりも、お得・美味しい・カンタンであることがアピールされています。
販促/コミュニケーション
Instagramで口コミが広まり、人気が高いのが特徴です。
商品のアレンジレシピなども合わせて情報発信しています。
ウェブサイトでは、LINEでのお問い合わせボタンが分かりやすい表示になっており、顧客とのコミュニケーションを大事にしている様子がうかがえます。
流通/お客さまの利便性
九州を中心に店舗も6つ展開されていますが、主流となるのはオンラインでの販売です。
楽天ランキングでは上位キープが続いています。
クーポンも出ていたり、定期購入割引もあるのでお得に感じながら購入できます。
ECサイトの導線もスムーズなのでストレスなく購入に進めます。
このように、4Pと4Cの要素を切り離さずに、セットで考えながら分析を進めていきます。
マーケティングミックスで多角的に分析して魅力的な商品をつくろう
マーケティングミックスによって売り手側の「製品・価格・販促・流通」といった指標をもって分析するだけでなく、買い手目線の「製品価値・コスト・コミュニケーション・利便性」の視点を取り入れることで、より総合的に商品の強みや課題を捉えることができます。
マーケティングミックスを事業に取り入れて、より魅力的な商品をつくるべく、戦略をたてていきましょう。
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