リサーチの重要性は分かるけど、ただなんとなく…といった感覚で競合や顧客ニーズを調べていませんか?
やみくもにリサーチしても偏った情報しか分析できず、売り上げアップにつながらない残念なケースも多いのです。
継続して売れるビジネスモデルをつくるために、基本のリサーチ方法は理解しておきたいもの。
そこで、マーケティングにおける競合リサーチの際に気を付けてもらいたコツについて、3つの間違ったやり方を例にあげながら、お伝えしていきます。
さらに、一番効果的で簡単な顧客ニーズのリサーチ方法についても、特別にご紹介します。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
マーケティングでやりがち!間違った競合リサーチ方法3つ
事業を成功に導くための経営戦略として定番の3C分析。
▼3C分析の基礎についてはこちらの記事をごらんください▼
【成功のカギ】3C分析とは?簡単に学べるマーケティング基礎知識
3C分析において「まず顧客のニーズが何にどれくらいあるのか?」について市場規模や伸び率を調べます。
次の段階として、「その顧客ニーズに対して競合となる他社がどんなサービスを展開しているのか?」について、リサーチしましょうという段階が、ここでの内容となります。
それではさっそく、間違った競合リサーチの方法を3つご紹介します。
① 同業者しか調べない
② リサーチの母数が足りない
③ そもそもやり方が間違っている
では、ひとつずつ詳しくみてみましょう。
間違った競合リサーチ方法1【同業者しか調べない 】
たとえばヨーグルトなら、おなじようなヨーグルト製品となる競合だけをリサーチしてしまっている状況です。
この場合、まずヨーグルトを買う顧客層がなにを求めているのか?を考えます。
「手軽に美味しく食べて健康でいたい」といった顧客の深層心理があると仮説をたててみましょう。
その場合、ヨーグルト製品にとどまらず抽象度をあげて「健康志向の自然派食品」についてのリサーチも必要になるということです。
パッと思い浮かぶだけでも、ナッツやマヌカハニー、オリーブ油、甘酒など沢山ありますね。
このように、ターゲット層が似ている競合製品なら、すべてリサーチの対象となることを理解しておきましょう。
間違った競合リサーチ方法2【リサーチの母数が足りない 】
つぎに、リサーチの数が圧倒的に足りていないというものです。
ライバルとなりうる数社を調べて満足していませんか?
さきほどご紹介した「同業者しか調べない」という間違ったやり方に重なりますが、リサーチの範囲が狭ければ、とうぜんリサーチする数も少なくなります。
なるべく30以上の競合他社を調べて、リサーチにもっと時間を割くようにしましょう。
間違った競合リサーチ方法3【そもそもやり方が間違っている 】
リサーチについて誰も教えてくれないので、そもそものやり方が間違っているという場合も多いです。
いってしまえば我流の方法でリサーチしている状況です。
そうなると、自分たちに都合の良い結果が多くなり、偏りがでてくる可能性もおおいに考えられます。
まずはプロのやり方を知ってから、競合リサーチにとりかかること。
そのほうが、何倍も効率よく売り上げにつながる効果があげられます。
一番かんたんで効果的!顧客ニーズのリサーチ方法
つぎに、効果的で簡単な「顧客ニーズ」のリサーチ方法をご紹介します。
商品やサービスを販売した経験のある方、ない方の2通りについてご紹介します。
まず、商品サービスを販売した経験の無い方は、
・雑誌、口コミサイト、SNSなどからリアルな声をひろう
匿名で本音がでやすいネット上の声をあつめることから始めましょう。
どんな商品サービスが求められているのか?たくさんの声を集めます。
つぎに、商品サービスをすでに販売している方は、
・アンケートをとる
・直接ヒアリング、インタビューする
・ファン同士で意見交換をしてもらう
ここでポイントとなるのは、濃いファンの声です。
濃いファンの声をきくことで、販売側からは思いもつかないような商品サービスの魅力も沢山みえてくるはずです。
わかりやすいたとえを挙げてみれば、恋人同士でも…
「わたしの可愛いところが好きなんでしょ?」
「いや、○○の気が利くところが好き」といったように見方が違っているかもしれませんね。
イケウチオーガニックの事例
企業でも濃いファンを大事にし、ファンミーティングやツアーを組むといった取り組みが重視されています。
なぜなら、何度も購入してくださる全体の20%の濃いファンは、売り上げの80%を占めるという法則があるからです(パレートの法則とよばれます)。
いま、ひんぱんに購入してくださる方にもっと喜んでもらうことが重要なんですね。
イケウチオーガニックという今治タオルの製造会社を例にあげましょう。
原材料からつくるひと、環境において、並々ならぬこだわりを明確にされています。
驚いたことに、タオルをはじめとした製品を食品として扱い、食の安全基準をみたす生産過程となっているんです。
”2073年までに“赤ちゃんが食べられるタオルを創る”という次の安全性基準を企業の行動指針として設定しました。”
引用:IKEUCHI ORGANICホームページ
ファンを大事にするイベントを開催
メルマガで「イケウチオーガニックについてどんなことが知りたいか?」というアンケートをとられたそうです。
すると、年2回以上タオルを買っている濃いファンほど「職人について詳しく紹介してほしい」という要望がありました。
そこで、愛媛県今治にある本社を開放し、ファンをもてなすイベントが開催されました。
タオル工場の見学や職人と直接話すことができる時間もつくっています。
その後のファンミーティングで商品の魅力を熱く語ってもらい、サプライズでその日に織った日付入りのタオルをサプライズでプレゼント。
驚くことに、交通費や宿泊費、参加費もすべて参加者もちという条件でも、告知と同時に定員の40名がすぐに埋まったそうです。
特別感のあるイベントでファンをおもてなしすることで、より愛着をもってくれるので、商品の魅力を友人や家族にもひろめてくれるんですね。
コロナ禍のいま、ファン同士でつくられたオンライングループ内(FacebookやLINEなど)で、商品サービスの魅力について語り合う場も増えています。
一部抜粋:佐藤尚之・津田匡保『ファンベースなひとたち』(日経BP 2020)
マーケティングの土台となるリサーチを理解しよう
今回は多くの人が、やりがちな競合リサーチ方法について3つの失敗例をあげてみました。
あなたも、当てはまるものがありましたか?
さらに、顧客ニーズをひろう簡単で効率的なリサーチ方法についてもお伝えしました。
マーケティングを考えるうえで、土台ともいえるリサーチ。
どっしりと揺らぎのない土台をつくり、安定した経営戦略につなげていきましょう。
弊社でもご相談を受け付けています。
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