ブランドと聞いて、あなたは何が思い浮かびますか?
バッグや車、インテリアなど高級なものばかりが頭の中を駆け巡っているでしょうか…
じつは、ブランドは高級なものだけでなく、すべての商品や個人にも不可欠な時代になっています。
ネットが発達して、小さな企業でも発信力をもてるようになった今。
ブランディングはビジネスで成果を出すためにも、より一層、力をいれて取り組むべきものとされています。
今回は、ブランディングについての基礎と、具体的なステップを初心者にもわかりやすくお伝えします。
ブランディングとは【差別化して戦わない】

ブランディングとは、商品サービスに対する「好きな気持ち」をお客さまの心の中に育ててもらう活動のことです。
たとえば「ここのブランドのワンピースを着れば、大人っぽくて上品な女性になれそう」と思ってもらえるようなイメージを戦略的にデザインするということです。
人・モノ・サービス・空間など、固有名詞をもつものなら、なんでもブランドをつくることはできます。
不要な段ボールを世界中から拾い集め、財布やバッグといった唯一無二の作品を生み出すCartonという日本のブランドが、ユニークな例として注目されています。

物やサービスが溢れ、どれを選んでいいのか分からなくなる時代。
機能面はもちろん、想いのたっぷりつまった(ブランディングされた)商品を、お客さまに提案することで、スムーズに選んでもらえて、かつ気持ちよく利用していただけるという一連の流れを提供できます。
ブランディングがしっかりと設計されているだけで、売り手も、買い手も、お互いにとって嬉しい取引になっていくのですね。
ブランディング3つのメリット

・安売りしなくてもいい
・しつこく営業する必要がない
・競合と戦わなくていい
結論をいってしまえば、あなたの理想とするお客さまが、しぜんと集まってきてくれるので好循環の中でビジネスが進んでいきます。
そのため、積極的に営業をする必要がありません。
理念や価値観を明確に伝えることで、そこに共感してくれる方だけに商品サービスの具体的な情報を提供していきます。
欲しいと思ってくださる方にだけ、商品を届けるイメージです。
万人に評価される必要がないのですね。
だからこそ、自信をもった価格設定ができて、ライバルとの価格競争に巻き込まれない状況がつくれます。
ブランディングで必要な視点【世界観を統一する】

ブランディングにおいて重要なポイントは、ブランドの世界観を細部まで統一させることです。
たとえば、上品で大人っぽいバッグという印象をもってもらいたい場合を考えてみましょう。
商品自体のサイズや素材、色、デザイン、価格など重要となる要素があるのですが‥‥
・お店の立地、外観、内装
・店員さんの口調や服装
・マネキンのコーディネート
・Web上の情報発信の雰囲気など
このように、お客さまの立場にたって購入までのプロセスを考えてみると、ブランディングの視点から考慮すべき点が多いことに気づきますね。
ここで、明治「THE Chocolate」を事例にみてみましょう。
世界最高水準のカカオを調達し、明治のプライドをかけた「THE Chocolate」は、スーパーに並ぶ一般的なチョコレートの2倍の価格設定。
「メイジ・カカオ・サポート」と呼ばれる農家支援プロジェクトで、カカオの生産段階から欲しい味をつくるという、こだわりようです。
しかし、味への自信はあったものの、売り上げが伸びず旧パッケージからのリニューアルを決断。
板チョコとしては、めずらしい縦型で、シンプルかつおしゃれなデザインに変わりました。
その結果、予定していた販売計画の2倍を上回るスピードで売り上げを伸ばすことに成功。
カカオの産地ごとに違った風味を楽しんでもらえるようにと、パッケージを変えただけで大幅に売り上げUPが実現した事例です。
ブランディングの5ステップ

「ブランディングの必要性は理解できたけど、何から始めたらいいの?」という方のために、おおまかなステップをご紹介します。
まずは、環境分析です。
市場や、競合などのリサーチに時間をかけましょう。
あなただけの強みをみつけて、立ち位置を決めていきます。
さまざまな分析の方法がありますが、もっとも定番な3C分析については、こちらの記事に詳しく書いております。(3C分析とは?簡単に学べるマーケティング基礎知識 (eightsumarketing.co.jp))
あなたのまわりにいる友人などを思い浮かべながら、誰の悩みを一番解決したいのか、考えましょう。
どんな価値観をもった相手に届けたいのか、掘り下げていきます。
コンセプトを決めて、ぶれない芯をつくります。共感してくれるお客さまを集めるためにも、重要です。
アイデアを具現化してデザインに落とし込む作業を始めます。
テーマカラーやロゴデザイン、フォントやキャッチコピーなど、印象づけに重要な項目ですね。
さわやかな印象を持ってほしいのか?カッコイイと感じてほしいのか?といった具合に、どんなイメージを持ってほしいのか考えて細部まで統一感をもたせます。
お客さまの心の動きに合わせて、どのメディアで何を発信するのか決めていきます。
このように、ブランディングは5つのステップで成り立ちます。
ビジネスを軌道にのせるには、なによりもブランディング構築に時間をかけることが、キーポイントとなってきますよ。
ブランディングの事例【無印良品】

ブランド名があれば、品質がそこそこでも売れてしまう現実をみて「ブランドの印に頼らずに品質のいいものをつくる!」という想いがあって立ち上げられたのが無印良品です。

企業理念「無印良品の存在意義」の部分を抜粋します。
美意識と良心感を根底に据えつつ、日常の意識や、人間本来の皮膚感覚から世界を見つめ直すという視点で、モノの本質を探究していく。そして「わけ」を持った良品によって、お客様に理性的な満足感と、簡素の中にある美意識や豊かさを感じていただく。
株式会社 良品計画 企業理念より
これ以外の部分についても共感できる価値観が多く、商品に対する姿勢が伝わりますね。
無印良品というブランドが積み上げてきた、モノづくりへの姿勢が、お客さまの大きな信頼につながっているのですね。

無印良品という名前の通り、シンプルでおしゃれ、かつ機能性の良い商品には定評があり、「ムジラー」と呼ばれるファンが多く存在します。
・ナチュラル系の家具で統一された部屋にしたい
・ワンランク上のオシャレな部屋で彼氏からほめられたい
このような願望が「無印良品なら叶えられそう」と思う顧客がリピーターとして無印良品のアイテムを買いそろえることでしょう。
熱烈なファンは、家族や友人にも良さを伝えていくので、しぜんと口コミが広がっていきます。
ブランディングの事例【バルミューダ 電気ケトル】

価格が高くても「欲しい」と人気なのがバルミューダの電気ケトルです。
「今までにない美しいデザイン」がメインテーマです。
バルミューダ公式サイトから、電気ケトルのページをみてみると、1製品に8つものページが用意されています。
・概要
・デザイン
・淹れ方
・ストーリー
・STARBUCKS RESERVE®
・アクセサリ
・スペック
・販売店
「毎日の湯沸かしの時間がもっと丁寧で特別なものになるんだろうな~」とバルミューダの電気ケトルがある暮らしをイメージすることができます。
ひとつの製品へのこだわりが、ここまで詰まっていれば「使ってみたい」と憧れを抱く人が多いのも納得ですね。
ブランディングの事例【RIVERETの竹製ビアマグ】

RIVERETというブランドはフランス語で「川のせせらぎ」といった意味をもつ言葉からきています。
自然が生み出す天然素材が、美しい曲線となってデザインされています。
天然の孟宗竹をつかうことで資源活用となり、塗料においても環境へ配慮された製品となっています。
見た目のシンプルで、おしゃれなデザインに相まって、ブランドの持つ理念やストーリーに共感してくれる自然派志向の人々を、ターゲット層にしていることが予想できますね。
とくに、ビールのためのマグは竹の特製を最大限に活かし、ビールの美味しさを引き立てるといった機能性も抜群です。
素材の育成から、デザイン、製造、出荷、アフターフォローに至るまで自社管理を貫くこだわりが、より一層大事につかいたくなる気持ちに火をつけてくれます。
大切なひとへの贈り物にも選ばれる、とっておきの商品にするためのヒントが沢山みえますね。
ブランディングを味方につけて

ブランドの語源については諸説ありますが、牛を区別するための焼き印(burned)から来ているとわれています。
パッとみて、すぐに他と区別をつけるためですね。
ほかに埋もれないような見た目のデザインと、質の高いスペックを併せ持った商品として充実度を高めて、お客さまに「やっぱり、これじゃなきゃね!」と選んでもらえるものにしていきましょう。
あなたの掲げる志に、共感してくれる相手を大事に円滑なビジネスを進めていきましょうね。
弊社でも、マーケティングの視点から売り上げを伸ばす仕組みづくりをサポートしています。
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